丹羽宇一郎『日本の未来の大問題』を読んで~山積する課題に日本人はどう立ち向かうべきか~

日本の未来の大問題

2月1日。

全国の小学6年生のうち、今日が今までの人生でもっとも大きな一日、という子供たちは少なくないでしょう。

私もそうでした。
(正確には、第一志望校の入試は2日で、1日は滑り止めの学校でしたが、それでも「受験」という日を迎えたことには変わりありません。)

中学受験は、言ってしまえば人生のうちのほんの小さな出来事ですが、当の小学生たちには一大事ですし、入試結果によって、大切な青春の時期をどんな環境で過ごすかが決まるわけです。

明日は雪も予想されていますが、どうか受験生たちが悔いなく力を発揮できるよう祈るばかりです。

小学生は日本の未来に希望を持てるか

小学生たちが受験勉強を頑張るのは、無論自分の将来のためです。

しかし、今の日本を見て、はたして小学生たちは自分たちの未来に希望を持てるのでしょうか。

中学受験では、歴史や地理はもちろん、政治・経済・国際関係などについても詳しく問われますから、当然小学生たちは、時事問題対策も含め、現在の日本や世界の情勢をしっかりと勉強しています。

けれども残念ながら日本の現状は、知れば知るほど楽しくなる、というものではありません。むしろ逆でしょう。

賢い子であればあるほど、日本の「今」、そして「未来」に、不安を感じずにはいられないはずです。

本来子どもたちの手本となるべき大人たちは、積み重なる政治や経済の問題に適切に対処することができず、それどころか数々の不正が明るみに出るなどし、子どもたちは大人に不信感さえ抱くでしょう。

 

このままではいけない、と分かってはいながらも、自分が具体的にどう動けばいいのか、果たして自分にできることはあるのかわからず、悩んでいる日本人も多いと思います。

私もその一人ですが、今は時間のある「学生」という立場を利用し、様々な書籍を読んだり人の話を聞いたりして、自分にできることを考えています。

今回ご紹介する、丹羽宇一郎(にわ ういちろう)さんの『日本の未来の大問題』も、そのような中で読んだ一冊です。

著者の丹羽宇一郎ってどんな人?

著者の丹羽宇一郎氏は、1998年に伊藤忠商事の社長に就任し、99年には不良資産を一括処理すると、翌年度の決算では同社史上最高益を記録したという、素晴らしい実績の持ち主です。

その後は日本政府や国連の重要なポジションを歴任し、2010年には、民間出身では初の駐中国大使に就任されました。

現在は、日本中国友好協会会長であり、早稲田大学特命教授、福井県立大学客員教授、伊藤忠商事名誉理事を務められています。

著書には、『中国の大問題』、『人類と地球の大問題』、『習近平はいったい何を考えているのか』、『死ぬほど読書』、『丹羽宇一郎 戦争の大問題』などがあります。

今回ご紹介する『日本の未来の大問題』は、2018年1月29日に発行されました。(なんと一昨昨日です、、、! 書店で売り出されているのを見てすぐ買いましたからね(笑))

 

『日本の未来の大問題』を読んでいると、「老人は支配、権力の座から降りよ」、「ぬるま湯から出て異文化をくぐれ」、「縦割り社会をぶっ壊せ」、「ポジティブ・リストが日本をダメにする」など、人によっては「言い過ぎ」ともとられかねないような表現を、ためらわずに盛り込んでいることが分かります。

「日本は危機に直面している。たとえ自分が批判されようとも、日本の未来を変えるために言うべきことを言わなければ」という、強い意志が感じられました。

『日本の未来の大問題』の内容(抜粋)と感想

この本は、「日本再生の処方箋」という一貫したテーマがありながらも、内容は非常に多岐にわたっています。

そのなかから、いくつかの項目を抜粋するとともに、僭越ながら私自身が考えたことなども記していきたいと思います。

ポジティブ・リストが日本をダメにする

このセクションは、かなり印象的でした。

念のため解説すると、「ポジティブ・リスト」とは、「許可されたもののリストがあり、それに載っていないものは禁止」。それに対して「ネガティブ・リスト」とは、「禁止事項がリスト化されており、それ以外は何をしてもいい」ということです。

アメリカなどのでは、基本的に「ネガティブ・リスト」で組織が動くため、自由な発想・行動ができ、また責任の所在もはっきりしているのに対し、日本では、ほとんどの組織が「ポジティブ・リスト」で動いているために、行動の範囲が制限されてしまい、しかも責任が曖昧になってしまっている、と丹羽さんは厳しく指摘しています。

 

私もこれを読んで、「例えば自分がどこかの会社に入社したとして、そこがポジティブ・リストで動いていたらどうだろう」「逆にネガティブ・リストだったらどうだろう」などと考えてみました。

「ポジティブ・リスト」の方が楽なのは明らかです。やっていいことが決まっていて、そのほかのことには手を出さなければいいだけですから。

しかし、それでは、「刺激的」「創造的」な仕事を自らつくりだすことはできません。そのような組織が成長していくことは、やはり難しいのではないでしょうか。

「本格的に組織で働く」という経験がない私に偉そうなことは言えませんが、組織が成長するためには、「ポジティブ・リスト」よりも「ネガティブ・リスト」の方が有利、という主張には、私も納得しました。

教育こそ日本の光

「教育こそが、国を、そして世界を良くする」というのは、私も常日頃から考えていることです。

丹羽さんは、特に「留学の重要性」を説いておられました。

日本には、「出る杭を打つような横並び意識」があり、そのような文化に浸っていると、イノベーションを起こすような発想力、行動力は磨かれない、という主張がありました。

 

私も、短期間ながら留学を経験し、大変刺激を受けたのを覚えています。

しかし残念なことに、最近は日本の海外留学者数が減少傾向にあり、「若者の内向き傾向」が指摘されています。

丹羽さんが主張されるように、これからグローバル化がますます進む中で、若者がこのような内向き志向なのは気がかりです。

まとめ

『日本の未来の大問題』は、ここでは論じきれないほど密度の濃い本です。

しかしながら、すべての内容を記載してしまうわけにはいかないため、特に印象に残った部分を抜粋してご紹介し、レビューしました。

 

今日から数日間、自分の将来をかけて戦った小学6年生たちが、その「頑張る力」を将来も存分に生かし、幸せになれる世の中であってほしいものです。

そのような世の中になるよう、少しでも自分が社会に貢献できることはないか、これからも探っていきたいと思います。

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