佐藤航陽著『お金2.0』が超わかりやすい!新しい経済を解説した良書

お金2.0

『お金2.0』という本をご存知でしょうか?

去年発売され、これからの経済をわかりやすく解説した書籍として人気を集めています。

私はいわゆる「経済学」には弱くて、数式が並んでいるような本は好きではないのですが、この本は素人が読んでも理解しやすいように書かれていて、私も楽しく興味を絶やさずに最後まで読むことができました。

この本は「そもそもお金とは何か」の説明から始まり、最後は「これからの世の中がどのようになっていくか」という方向性も示しています。

 

「経済」のあり方が変わろうとしている今、「どのように変わっていくのか」「どのような方向に向かっていくのか」ということが分からず、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

私もそのようなことに興味を持ち、本書を手に取りました。

かつて電気の発明が人間の生活レベルを向上させ、医学の進歩が人々を病から救い、身分からの解放が一人ひとりに多くの可能性をもたらしたように、経済もまだまだ進化の途中であり、人間は今とはもっと違う存在を目指せると、著者である佐藤航陽さんは信じています。

著者 佐藤航陽(さとう かつあき)について

福島県出身。

早稲田大学在学中の2007年に株式会社メタップスを設立し、代表取締役に就任しました。
その後も様々な事業を手掛けます。

フォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、AERA「日本を突破する100人」、30歳未満のアジアを代表する30人「30 Under 30 Asia」などに選出されました。

2017年には時間を売買する「タイムバンク」の立ち上げに従事し、宇宙産業への投資を目的とした株式会社スペースデータの代表も兼務しています。

『お金2.0』の内容(抜粋)と感想

ここからは、私がこの本を読んで特に印象に残った部分をご紹介、レビューしていこうと思います。

経済と脳の関係

佐藤さんは、経済システムについて研究しているうちに、お金や経済といっった社会学的な分野が、実は人間の脳という生物学的な分野に繋がっていたことに気づき、衝撃を受けたと言います。

人間や動物の脳は、欲望が満たされたときに「報酬系」と言われる神経系が活性化して、ドーパミンなどの快楽物質を分泌する、というのはご存知の方が多いでしょう。
この報酬系は、生理的欲求が満たされた時だけでなく、他人からの賞賛や愛情を感じるなど、社会的な欲求が満たされた場合にも活性化して快楽物質を分泌します。

人間も動物も、この快楽物質欲しさに、様々な行動に駆り立てられていくのです。

さらに、脳の報酬系は欲求がまだ満たされていなくても、「報酬が期待できる状態」でも快楽物質を分泌します。

例えば私たちは、実際に美味しいものをまだ食べていなかったとしても、「美味しいものを食べに行く予定を入れる」だけで、嬉しい気分になりますよね。

つまり人間の脳は、経験や学習によって快楽物質を分泌する対象を自由に変化させることができるということです。

SNSの「いいね!」に快楽を感じ、なんどもチェックしてしまうというのも、私たちの脳が環境の変化によって快楽を感じる対象が変化してきた証だと佐藤さんは言います。

承認欲求はテクノロジーと結びつくことで、社会的な欲求の代名詞になりました。

今後も、新たなテクノロジーの発達により、人間も別の新しいものに快楽を感じるようになり、新しい欲望が生まれてくると考えられます。

あらゆる仕組みの「分散化」

お金や経済の世界において、今起きている大きな変化の流れは「分散化」であると佐藤さんは述べています。

今までは、分散化の対極にある「中央集権化」によって、社会は秩序を保ってきました。
情報が偏り、多くの人がリアルタイムで情報共有できなかった近代社会では、それが最も効率的な仕組みだったのです。

しかし現在は誰もがスマートフォンを持ち、リアルタイムで情報にアクセスできるのが当たり前になりました。

こうなると、中央に代理人が介在する必要はなくなり、全体がバラバラに分散した社会に変わっていきます。

分散化が進んでいくと、情報や物の仲介だけでは「価値」とはならず、独自に価値を発揮する経済システムそのものを作ることができる存在が大きな力をもつようになっていくでしょう。

現在拡大している「シェアリングエコノミー」や「トークンエコノミー」も、「分散化」という大きな流れの延長線上にあると考えられます。

資本主義から「価値主義」へ

資本主義上のお金というものが、現実世界の価値を正しく認識・評価できなくなりつつあるため、今後は、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくと考えられています。

著者である佐藤さんはこの流れを「価値主義」と呼んでいます。

資本主義上では意味がないと思われる行為も、価値主義上では意味がある行為になるということが起きてきます。

 

私が読んでいてとくに印象的だと感じたのは、「興奮・好意・羨望などの人間の持つ感情や、共感・信用などの観念的なものも、消費することはできませんが立派な価値と言えます」という部分でした。

実際に、精神的な充足や、社会貢献などの重要性は、私たち若者を中心にどんどん高まりを見せていると感じます。

このようなものが実際に「価値」としてはっきりと認識され、経済の中で重要な要素になれば、たしかに現在の資本主義よりも、さらに理想的な形へと近づいていくのではないでしょうか。

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